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 ついに世界の頂点を決するときがやってきた。5月31日開幕戦のフランスVSセネガル以来64試合目、チケットにはMatch No.64 ファイナルと書かれている。このチケットも準決勝を一緒に見に行ったトミーインタナショナル(矯正歯科材料の会社です)の島貫さんが苦労して取ってくれたのである。もちろん今回も彼と一緒に観戦した。2002年6月30日横浜国際競技場、これまでの16回の大会で72年にもなるワールドカップの歴史で初めての対戦となるブラジルVSドイツ。ブラジルはこれまで4回ワールドカップを手にし最高の成績を残しているし、ドイツは西ドイツ時代に優勝、準優勝各3回とコンスタントにファイナリストになっている。サッカーファンなら言わなくても解っている強豪同士。今まで対戦がないことは「ワールドカップの7不思議」と言われてきた。ドイツは大会前はベアンス、ノボトニーの守備の主力や、ダイスラー、ショルといった攻撃の中心選手のケガによる離脱で、決勝に進出することなど誰も思てっていなかった。ブラジルも戦前の予想では、南米予選をぎりぎりで通過してきた課程から、優勝候補にあげる人は少なかった。大会前から、今大会もブラジルVSドイツの対戦は実現しないであろうと思われていた(組み合わせから、両チームがそろって決勝あるいは3位決定戦に進出しない限り対戦しないことから)。その対戦が実現する。この歴史的瞬間に立ち会えたことを私は一生忘れないだろう。新横浜駅を降りると、いきなり元ブラジル代表キャプテンでジュビロ磐田にも在籍したドゥンガが私と同じ新幹線から降りてきた。思わず歩み寄り握手をしてもらった。駅の改札を出るとすごい人混みで、なかなかまっすぐに歩けない。待ち合わせをした島貫さんと落ち合い、いざスタジアムへ歩き出した。スタジアム周辺では、ブラジル、ドイツのサポーターがお互いにユニフォームを着込み、そして観戦にきている日本人、雰囲気を楽しもうと出かけてきている人を交えて、盛り上がりを見せていた。圧倒的に黄色いユニフォームを着ている人の方が多い。スタジアムに入ると、すでに試合の2時間以上も前だというのにゴール裏の席ではサ
ポーターたちがそれぞれのチームの応援をしていた。試合前のセレモニーが決勝戦の雰囲気を一層盛り上げていた。世界中が注目する一戦には、天皇皇后両陛下を始め金大中韓国大統領夫妻、小泉首相、各国VIPも貴賓席に姿を見せた。両国イレブンが入場後、国歌斉唱、そしていよいよキックオフ。

私は戦前の予想では、ドイツはバラックがイエローカードの累積のため出場停止になっていることから、守備を固め、ブラジルに攻めさせ、カウンターアタックやセットプ
レーで得点をねらってくると思いた。そして1点勝負、得点できなければPK戦になっても、後はカーンに任せるつもりで戦ってくるはずと・・・・。しかし予想を裏切る
展開で試合は始まった。ドイツがボウルを支配し攻撃的にゲームをを組み立ててきている。ディフェンスラインを下げることなく、高い位置で中盤からブラジルにスペースを与えず、ボールのでどこにプレスを掛け、ブラジルを苦しめた。しかし決定的な場面はつくれない。ブラジルはらしくないカウンターから決定的な場面を作った。ゴール前でロナウドがカーンと1対1に・・・。しかも2回も、カ?は落ちついて間合いを詰め、シュートするまで動かない。ロナウドは慌ててシュートをしゴールできない。完全にカーンの勝利。前半は0-0のまま折り返した。後半に入ると再びドイツが攻勢に出て来る。46分、49分とチャンスを作り、ボーデのフリーキックがクロスバーを直撃する。これがゴールしていたら・・・・。その後は一進一退の膠着状態が続くが、ついに均衡が破られた。67分、自陣でハマンがリバウドにボールを奪われ、ペナルティーエリアの外からシュート、カーンがキャッチしたと思った瞬間、ファンブルを詰めていたロナウドにゴールを割られる。ドイツのディフェンス陣には「まさかカーンがファンブルする」とは思っていなかったのだろう。それに対して、基本に忠実にシュートの後に詰めていったロナウドの勝利であった。
ドイツは選手交代をしバランスを崩して、攻めにはいるが、ブラジルのゴールを最後まで割れなかった。逆に手薄になった守備をつかれ、79分、ロナウドに追加点を奪われる。The Endである。

ロナウドは今大会8ゴールで得点王に輝いた。リバウド、ロナウジーニョとともに今大会の主役であった。彼は、前回大会では決勝戦の前に謎の発作に倒れ、決勝戦では全く精彩を欠き、ブラジルがフランスに3-0で敗退した戦犯にされてきた。それから4年、怪我に泣き、右ヒザには2度もメスを入れ、2年半をリハビリに明け暮れた。やっと今年になって、インテルやセレソンの試合に出れるようになったばかりである。しかし、今大会は完全復活したところを見せた。


試合後、カーンはゴールポストにもたれて動けないでいた。泣いていた。自分のミスで失点したことが悔しかっただろう。だが、彼のミスを誰が責めるだろうか?そもそもドイツは彼の活躍なくして決勝まで進めただろうか?今大会で準決勝までの6試合で許した得点はわずかに1点、明らかに今大会最高のゴールキーパーだった。33歳の彼だが、4年後のドイツでも活躍し、この汚名を返上してくれるだろう。

ワールドカップの置いてあった台に一人上ったセレソンのキャプテン、カフーにワールドカップがブラッタFIFA会長から手渡された。その瞬間、何が起こったかと思うほどのスモークがたかれ、千羽鶴がスタジアムに舞った。感動で胸があつくなった。

試合が終わっても、帰る人はなく、表彰式のセレモニーを観衆はみんな楽しんでいた。

この1ヶ月間は私にとって本当に幸せな日々であった。「4年後はドイツにワールドカップを見に行くぞ」島貫さんと、硬く誓いを交わしスタジアムを後にした。

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