映画「早咲きの花」
9月3日の日曜日に映画「早咲きの花」をユナイテッドシネマ豊橋18に 妻と一緒に観に行ってきました。日曜日の21時20分からのレイトショーでしたので、お客さんは数組でまばらでした。そうするとなんか人気のない映画と思 われてしまうかもしれませんね。7月29日から愛知県内で先行ロードショーで公開されています。2007年新春に全国で順次ロードショーを行うことになっ ています。全国に先駆け先行ロードショーを観られると言うことはちょっとした優越感があります。
この「早咲きの花」の物語は、写真家のシュナイダー植松三奈子(浅丘ルリ子)が、ある日突然、失明を宣告されたところから始まります。彼女はその目に最後に焼き付けようと選んだのはかつて太平洋戦争下に家族と一緒に過ごした、喜びも悲しみもたくさん詰まった思い出の故郷、愛知県豊橋市でした。
豊橋を訪れた三奈子は市内を兄から受け継いだ昔懐かしいピンホールカメラで撮影しながら、昔を回想する。市内を撮影する中、高校生の行彦(北条隆博)と小 枝子(加藤未央)に出会う。太平洋戦争下、東京から豊橋に引っ越してきた三奈子と小学校6年生の兄・真次は友人らと楽しい日々を過ごしながら過ごしていく が、次第に戦況が激化すると共に、友人の父の出兵や戦死、学校の担任の先生の出兵。そして彼ら子供たちも進学と共に学徒動員により豊川海軍工廠で働くよう になる。そして広島への原爆投下の翌日、8月7日に豊川海軍工廠も空襲に遭い兄・真次をはじめ兄の友人も尊い命を失うことになる。
この思い出を回想するシーンで、高校生の行彦と小枝子に友情や、家族、そして平和の尊さを伝えてくれました。スクリーンを見つめる私たちにもそれは伝わり目頭が熱くなりました。
この「早咲きの花」は豊橋出身の作家・宗田理さんの「ええじゃないか17歳のチャレンジ」「子どもたちの戦友」「雲の涯 中学生の太平洋戦争」という3つの小説をベースに「ぼくらの七日間戦争」を手掛けた菅原浩志監督が自ら脚本を書き下ろし、監督した作品です。
豊橋市が 今年2006年に市制100周年を迎えることで市を上げての協力がなされ、昨年の夏に豊橋や東三河の各所で撮影がされました。また、1500人の豊橋市民 によるエキストラを動員して撮影された「ええじゃないか祭」のシーンや、手筒花火の「炎の祭典」など、豊橋の街の魅力が随所に出てくる作品になっていま す。私の出身高校の時習館高校や市電、菅沼矯正歯科の向かえにある豊橋市公会堂なども出てきました。そういえば昨年の8月3日に豊橋市公会堂で開催された日本臨床矯正歯科医会東海支部と中日本矯正歯科医会の共同開催による「矯正歯科医会 全国広報キャラバン 市民セミナーinとよはし」の準備をこの日の午前からしていたのですが、公会堂の前で浅丘ルリ子が撮影をしていたことを思い出しました。
映画の予告編やポスターに出てくるフレーズの「あなたが覚えている私は笑顔ですか」というフレーズと共に、豊川海軍工廠の空襲で亡くなった兄・真次がその 日の朝に、母と三奈子に見せた笑顔が心に焼き付きました。実は、私の思い出の中にいる今は亡き父をはじめとした家族も、私が思い出す顔は笑顔だからです。 戦争中の苦しい時代でも、素敵な笑顔の思い出が残っているなんて本当に良いことですよね。私も矯正歯科医として、患者さんたちの歯並びを綺麗に治して、素 敵な笑顔にすることに日々努力しているのですが、患者さんが色々な意味で幸せで、素敵な笑顔で心の底から笑えると良いですね。
ユナイテッドシネマ豊橋18では当初9月8日まででしたが、1ヶ月ロードショーが延長になったとのことです。映画「早咲きの花」お勧めですので、是非ご覧下さい。
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